床暖房とは、その名の通り床下に熱源を配置し、部屋を暖める暖房機能です。

最近の新築物件では、標準装備とされていることも多く、特に寒冷地では重宝されています。

元々床暖房が設置されていない住まいでも、後付けは可能です。床暖房は種類や設置方法によって工期やコスト、メリットが異なります。

 

今回は、床暖房の後付け、設置リフォームについて解説いたします!

 

目 次

床暖房リフォーム前に抑えておきたい注意点

設置する面積、敷設率でコストが変わる

床暖房を検討する上で悩ましいのがランニングコストです。

床暖房は「設置後、光熱費がはねあがった」と言った声も珍しくなく、口コミでは「失敗した」という経験談も見聞きします。

 

床暖房は設置する面積・敷設率で効率が変わり、それによってコストも左右されます。

住まいやライフスタイルに適した床暖房の種類を選んだ上で、適切な敷設率を確保すれば後悔しない床暖房導入が叶います。

 

1.敷設率はどれぐらいがベスト?
床暖房を全面に敷くことはほとんどありませんが、敷設率が低いと暖まるのに時間がかかり、コストが膨らみます。一般的に基準とされているのが60%から70%ですが、住まいの環境や機能によっては50%でも十分なケースもあります。

 

2.どこに床暖房を設置する?
ソファやテレビ台など、家具下に設置するよりも家族が歩く・足を付ける部分に設置します。

 

床材やフローリング材に配慮する

床暖房に適さないフローリング材もあります。

一般的によく用いられる複合フローリングと呼ばれる床材は、熱に弱いため床暖房に適しません。床暖房設置する場合、熱や乾燥に強い素材を選ぶ必要があります。

お部屋での過ごし方や空間のこだわりを伝えつつ、リフォーム会社へ相談しましょう。

 

床暖房とセットで他部分のリフォームが必要か?

住まい全体の断熱性が低い場合は、原因となる部分のリフォームも検討してみましょう。

例えば、以下のような症状があると床暖房の効率も悪くなります。

 

  • 隙間風が気になる
    ⇒サッシの取替え、二重窓、内窓の設置、断熱ドアの交換などを検討
  • 住まい全体がひんやりする
    ⇒内壁に断熱材を入れるリフォームを検討

 

「一戸建て」「マンション」はどちらも工事可能?

床暖房設置のリフォームは、一戸建て、マンションともに可能です。

しかし、マンションは床暖房の後付けができない場合もあります。

マンションの場合、床暖房のリフォームに限らず「管理規約」によって工事可能な範囲が決まってきます。

リフォーム会社へ問合せる前に、マンションの「管理規約」に目を通し【床材の張替えが可能か】を確認します。

また、張替え可能なフローリング材が限定されているケースもあります。

床暖房には適している床材と、不向きな床材がありますので、床暖房設置が現実的なのか、この条件も含めて確認しましょう。

 

床のリフォームは音の問題でトラブルになりやすいため、強い制限をかけている管理組合が多いです。

 

床暖房のタイプは2つ!

床暖房は主に温水式と電気式の2種類あります。

温水式とは

床下に暖めたお湯を循環させ、機能させるのが温水式の床暖房です。

電気式に比べて暖まるのが早いので、帰宅時にすぐに暖めたいという方におすすめです。

リフォームの際には、温水パネルの敷設だけでなく、温水配管・熱源機の設置も必要になるケースもあり、イニシャルコストが膨らむ場合もありますが、ランニングコストが安いので、在宅時間が長いご家庭や、リビングなどの広い部屋・家全体を暖める場合にもふさわしいのは温水式の床暖房です。

 

【温水式床暖房のメリット】

  • 暖まるのが早い
  • ランニングコストが抑えられる
  • ムラなく広範囲にわたって暖かい
  • 低温やけどのリスクが低い

【温水式床暖房のデメリット】

  • 工事規模によってはイニシャルコストが膨らむ場合がある
  • 熱源機のメンテナンス・交換が必要な場合がある
  • 寒冷地の場合は不凍液(※)が必要

(※)不凍液とは……住宅の暖房ヒーターを循環する冷却水の一種で、特に寒冷地において凍結しないように作られた液体です。床暖房の不凍液は主成分となっているものが「エチレングリコール」「プロピレングリコール」の2種類あります。

 

【どんな人におすすめ?】

  • おうち時間が長い
  • 住まい全体を効率的に暖めたい
  • 高齢の方やお子様、ペットと一緒に住んでいる

電気式床暖房とは

電気式は、電気で発熱する床暖房のことです。

電気を使用するため、住まいによっては電気(アンペア)容量の増設、電気料金プランの見直しが必要です。

 

電気式の中にも「PTCヒーター式」「電熱線ヒーター式」「蓄熱式」の3つがあります。

 

PTCヒーター式
床に温度センサー機能を持たせるのがPTCヒーター式です。

床の温度によって電気抵抗が変わるPTCで、自動温度調整します。たとえば日当たりが良く、暖かい部分は発熱を抑えられます。効率よく電気を使用でき、ムダな電気を使用しません。

 

電熱線ヒーター式

従来から使用されているのは、電熱線ヒーター式です。

床下に敷いた電熱線に電気を通すことで床を暖めます。

スポット的に暖めることができるのも特長です。

 

 

蓄熱式
深夜に電気を蓄えておいて、日中は蓄えた電気で床を暖めるのが蓄熱式です。

電気代が安い深夜の電気を活用するため、ランニングコストが抑えられるのが特長です。

24時間部屋が暖かいのも大きなメリットでしょう。

 

【電気式床暖房のメリット】

  • イニシャルコストが抑えられる
  • メンテナンスが楽で手間がかからない
  • 工事が手軽な場合が多い

【電気式床暖房のデメリット】

  • ランニングコストが膨む傾向にある
  • 暖まるのに時間がかかる
  • 長時間の使用は低温やけどのリスクがある

【どんな人におすすめ?】

  • 長時間使用しない
  • 限定的な場所でしか使用しない

 

床暖房の施工「直貼り」「張替え」

床暖房の施工方法は2種類あります。

どちらを選択するかで費用、工期も異なります。

 

直貼り

床の上に暖房ユニットを直接貼り、仕上げ材を重ねる方法です。

工事が簡易であるため、費用も抑えられますが施工後に床が高くなります。

つまずきや転倒防止の安全面から、段差を埋める工事をセットで行うことをおすすめします。

 

張替え

既存の床材を剥がして、暖房ユニットと床材を張る方法です。

床の高さは施工前と同じにすることが可能です。手間はかかりますが、見た目も良く、機能性も高いのがメリットです。

 

床暖房リフォームの工事期間は?

【直貼り】1日~2日

【張替え】3日~5日

 

※期間は一般的な目安です。

工事の規模や住まいの環境、状態によって異なります。

 

床暖房のリフォームで冬のおうち時間がますます快適に!

床暖房と一口に言っても、種類や施工方法によってメリット・デメリットが異なります。

「光熱費が高くなってしまうのではないか」「メンテナンスが大変」といった不安もよく聞かれますが、目的やライフスタイルに合わせて選べばデメリットはそれほど怖いものではありません。

導入すれば、冬のおうち時間も快適に過ごせます。

 

わが家のマイスターでは、床暖房の後付け工事・リフォームも承っております。

「自宅に合った床暖房の種類、施工方法がわからない」といったお悩みも、マイスターが解決。お客様のライフスタイルや、おうち時間の過ごし方に合ったご提案をいたします。

快適な冬のおうち時間も、わが家のマイスターにおまかせください!