家の中でも水まわりは経年劣化しやすいため、10年ほど経過したあたりからリフォームを検討される方が多くなります。
特にリラックススペースである浴室のリフォームは人気が高く、造りや素材も年々進化しています。

せっかく浴室をリフォームするのであれば、存分に足を伸ばせるような広い浴槽にしたいもの。
本コラムでは、浴槽の形状や広さの拡張について解説していきます。

 

 

目 次

足を伸ばせるサイズはどれくらい?

浴槽には様々なサイズがあり、小柄な方でも窮屈に感じる浴槽もあれば、お子さまと一緒に入っても余裕がある浴槽もあります。
足を伸ばしてゆったりとお湯に浸かるにはどれほどの幅が必要なのか、以下をご参考ください。

  • 100cm以下:足を伸ばすことは難しい
  • 100~130cm:小柄な女性であれば足を伸ばせる
  • 130~140cm:平均的な身長の女性でも足を伸ばせる
  • 140~160cm:平均的な身長の男性でも足を伸ばせる
  • 160~180cm:長身の男性でも足を伸ばせる
  • 180cm以上:親子二人でもゆったりと入れる

 

 

適切な浴槽の高さはどれくらい?

浴槽は幅や奥行きだけでなく、高さも重要です。
従来の浴槽は、洗い場の床から浴槽の縁までの高さが60~65cmと高めの設計が多かったのですが、現在主流になっている浴槽は40〜45cmと、以前より随分低くなりました。

その大きな理由は安全性で、浴槽の高さを低くすることでまたぎやすくなり、事故のリスクを下げることができます。
また、一般的に浴槽の底は洗い場の床より低めに設計されていることが望ましく、底から縁までの高さは50~55cmのものが多いです。

 

 

リフォームで浴槽を広くできる?

リフォームによって浴槽を広くしたいと考える方は多いですが、もともとの構造によって工事内容は異なります。
そのため、まずは浴槽と浴室、どちらを広くしたいのか検討する必要があります。

例えば、浴槽は窮屈に感じる一方で、浴室全体が広い場合は、浴槽の交換だけで済むこともあります。
特に大がかりな工事を必要としないので、コストも比較的リーズナブルです。

一方、浴室自体が窮屈に感じる場合には、壁を撤去し、浴室の間取りを拡張しなければいけないケースが考えられます。

 

 

浴槽の形状

次に浴槽の形状について解説します。
広さは同じでも、浴槽の形状によって使い勝手は異なるため、ご家族に合っているのはどの形状か、チェックしてみてください。

 

ストレート型

浴槽の縁が真っ直ぐで、長方形になっているスタンダードなデザインです。
シンプルな分、無駄な要素がなく、足を伸ばすには最適な形状の一つです。

 

コーナー型

「コーナー」という名前の通り、浴室の一角から扇状に広がっている浴槽です。
個性が強く、特別感を得やすい形状ではありますが、意外に広さを感じないというデメリットがあります。

 

ななめ型

洗い場側の縁がななめに広がっており、その分面積も広くなっている形状の浴槽です。
相対的に洗い場の面積は狭くなってしまいますが、基本的にはシャワーが付いていない側の浴槽が広がっているため、洗い場の使い勝手が悪くなることはありません。

 

アーチ型

浴槽の中央部分がアーチ状に広がっているタイプの浴槽です。
広がりがあることで縁を掴みやすく、安全に浴槽に出入りできるという特徴があり、面積も広くなります。

 

Sライン型

縁がゆるやかなS字状の曲線を描いている浴槽です。
体感的な広さはストレート型とほとんど変わりませんが、くびれがある分、お湯の量が少なく済み、節水効果があります。

 

ワイド型

通常の浴槽だと窮屈に感じてしまう大柄な方や、親子一緒にお風呂に浸かりたいという方には、奥行きが長いワイド型の浴槽にリフォームすることをおすすめします。
一人で使用する場合もゆったりとお湯に浸かることができますが、洗い場を圧迫する、掃除の負担が大きいというデメリットもあります。

 

 

浴槽の素材

浴槽の使い心地は素材によっても全く異なります。
各素材の特徴を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

FRP製

FRPは「Fiber Reinforced Plastics(ファイバー・レインフォースド・プラスチック)」の略で、繊維強化プラスチックのことを指し、現在流通しているほとんどの浴槽はこのFRP製です。
形状やサイズが様々でコストパフォーマンスが高いですが、汚れが残りやすいため、こまめな掃除が必要になります。

 

ステンレス製

従来の浴槽に多かった素材がステンレスです。
サビに強く、耐久性が高いというメリットがありますが、一昔前を思わせる見た目や、傷の付きやすさから以前より人気は下がっており、流通数も少なくなっています。

 

ホーロー製

ホーローは金属素材の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を焼き付けた素材で、美しい光沢と、高級感を感じられるデザインが特徴です。
耐久性だけでなく保湿性にも優れており、お湯が冷めにくいというメリットがあります。

一方で経年劣化が早く、表面にヒビが入ると、ガラス質が徐々に剥がれ落ちていき、サビも発生しやすくなります。
他の素材に比べ、費用が高い傾向にあります。

 

人工大理石製

人工大理石製の浴槽は、見た目も高級感があり、傷や汚れも付きにくいという特徴があります。
ただし、一般的なFRP製と比較して表面の硬度が高いため、追い炊きやジェットバスといった機能を後付けすることができない場合があります。
また、入浴剤を使用するとシミになる恐れがあるなど、取扱いに気を付けることが多い素材です。

 

木製

ヒノキやコウヤマキといった木製の浴槽に憧れを抱く人も多いでしょう。
木製特有の香りや手触りは他の素材にはない大きな魅力であり、自宅で特別な時間を楽しむことができます。

ただし、耐久性はあまり高くありません。
長く使用するため、使用したお湯はその日のうちに排水し、素早く掃除・乾燥させる必要があります。

 

 

お風呂リフォームの費用・工期

お風呂のリフォームにかかる費用と工期を、リフォーム内容別に解説します。

 

浴槽のみ交換する場合(在来浴槽の場合)

  • 費用:50万~100万円
  • 工期:1~3日間

浴槽のみを交換する場合にかかる費用と工期は上記の通りです。
即日で工事が完了する場合も多いですが、浴槽そのものの価格によって、費用に大きく差があります。

 

浴室全体の改修

  • 費用:100万円~
  • 工期:3日間~

浴槽を含め、壁・天井・床のタイル、シャワーや蛇口周りなど、浴室全体をリフォームする場合は、100万円以上かかるケースが多いです。
工事内容が多くなる分、必要な工期も長くなります。

 

浴室の拡張・改修

  • 費用:150万円~
  • 工期:1週間~

既存の壁などを撤去し、浴室を拡張するところから手を加えるケースです。
より多くの費用と工期を要しますが、隣接する脱衣場などとの兼ね合いもあるため、事前の打ち合わせから入念に計画する必要があります。

 

 

浴室にあると嬉しい追加機能

浴室をリフォームする際には、追加機能を取り付ける方も多いです。
現在は様々な機能の人気が高まっていますが、その中でも特におすすめの機能をご紹介します。

 

浴室暖房乾燥機

2003年の建築基準法の改正以降、新しく建てられた住宅には必ず24時間換気システムが設置されていますが、近年では、さらに多機能化した浴室暖房乾燥機の人気が高まっています。

暖房・涼風機能によって、浴室内を冬は暖かく、夏は涼しくすることで、快適に入浴することができます。
急激な温度変化が引き起こすヒートショックの予防にもなるため、老後に備えたリフォームとしても人気が高いです。

洗濯物を乾かすのにも便利な機能で、梅雨時期の部屋干しにもおすすめです。
乾かすまでの時間を短縮するだけではなく、湿気やカビの発生を抑える効果もあります。

 

ジェットバス・ジャグジー

自宅のお風呂でリッチな気分を味わいたい方に人気が高いのが、ジェットバスやジャグジーです。
リラックスできることはもちろん、マッサージ効果によって血行が改善され、日頃の疲れを癒してくれます。
泡風呂用の入浴剤を使用した時には勢いよく泡立つため、親子一緒に入浴する楽しみも増えます。

 

浴槽の自動洗浄

浴槽が大きいと、ゆったりと湯船に浸かることができますが、その分掃除が大変になってしまいます。
特に寒い季節のお風呂掃除は一苦労ですが、自動洗浄機能を追加すれば、そのような悩みも解消することができます。

文字通り、自動で浴槽を洗浄してくれる機能で、あらかじめタンクに入れておいた洗剤が噴射され、浴槽の隅まできれいにしてくれます。
スマートフォンと連携できるタイプも登場しており、一歩も浴室に入ることなく、ボタン一つで掃除が完了します。

 

 

広々とした浴槽でリラックスしよう

浴室・浴槽のリフォームは非常に選択肢が多く、サイズ・形状・素材などで、使い心地は全く異なります。
ご自身の中で何を重視するのかをある程度定め、専門家と相談しながら、リフォーム内容を決めていきましょう。

わが家のマイスターでは、お客さまのご希望やライフスタイルに合ったリフォームをご提案いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。