収納スペースが足りなかったり、住人が増えたという理由で増築リフォームをご検討中の方も多いのではないでしょうか。
部屋の数が増えればより快適な生活が実現しますが、増築リフォームは通常のリフォームと比較して工事の規模が大きく、規則や手続きが複雑という特徴があります。
そこで今回のコラムでは増築リフォームについて解説していきます。
スムーズにリフォームを進めるためにも、最初によく理解して計画を立てましょう。
増築リフォームとは?
住居を拡張する際に用いられる増築リフォームですが、正確には床面積を増やすリフォームのことを指します。
例えば、間取りを変更してリビングや個室を拡張するリフォームの場合、住居全体の床面積が増えるわけではないため、増築リフォームには該当しません。
ただ、床面積を増やすには住居そのものの構造を変更する必要があります。
必然的にリフォームの規模は大きくなり、注意すべきポイントも多くなります。
増築リフォームがおすすめなケース
家を広くするリフォームはいくつか考えられますが、増築リフォームがおすすめできるのはどのようなシチュエーションなのか、具体的に解説していきます。
- 住人が増える
- 防音室を設置したい
- ガレージや倉庫を設置したい
- ベランダやバルコニーが欲しい
住人が増える
- 結婚した
- 子どもが生まれた
- 親と同居することになった
このように、ライフステージの変化によって、住人が増えることはしばしばあります。
それに伴って部屋数が足りなくなってしまう場合にリフォームが考えられますが、間取りを変更して部屋数を増やすと、一つひとつの部屋が狭くなってしまいますよね。
増築によって住宅そのものを拡張すれば、部屋の広さはそのままに、住人全員が快適に生活できるようになります。
防音室を設置したい
新たに部屋を増設する場合には防音室もおすすめです。
- 楽器を演奏したい
- 大音量で映画鑑賞したい
など、趣味を楽しむ上で防音室は重宝しますが、本格的な防音室を作るには壁や床にも手を加える必要があります。
その場合、既存の部屋を工事するより、完全に新しい防音室を増設した方がリフォームがスムーズに運ぶこともあります。
また、防音室は書斎として利用するのもおすすめです。
近年、オンラインで仕事をする方は急激に増加していますが、自宅で仕事に集中するのは案外難しいものですよね。
防音室なら中の音が漏れないだけでなく、外の音も入ってきにくいため、仕事に集中しやすい環境だと言えるでしょう。
ガレージや倉庫を設置したい
車やバイクを大切に保管したいという方におすすめのガレージ。
1階を改築してガレージにするケースもありますが、広いスペースを必要とするため、増築リフォームによって新しく設置するのが現実的です。
広い倉庫が欲しいという場合にも同様のことが言えるでしょう。
サイズが大きいものや、シーズンによって使わないものを収納する際、大きな倉庫があると家の中を圧迫せずに収納することができます。
ベランダやバルコニーが欲しい
1階ではなく、2階や3階を増築するというケースもあります。
ベランダやバルコニーなど、屋根や壁が必要ないスペースを作る上では、改築より増築の方が都合が良い場合もあります。
ただし、上階を増築する場合は住居の重心や耐久性を考慮する必要があるため、リフォーム業者に依頼して調査してもらうと良いでしょう。
増築リフォームのポイント
次に増築リフォームを行う際のポイントを解説いたします。
- 生活動線を考慮する
- 配管・配線を確認する
- 外観に違和感をなくす
- 日当たりやプライバシーに配慮する
- 耐震性を保持する
- 建築基準法を遵守する
生活動線を考慮する
どのような目的でリフォームするかにもよりますが、増築することで間取りが変わり、生活動線にも影響を与える可能性があります。
生活動線とは、普段の生活の中で人が移動する経路を指します。
特に滞在時間が長いリビングや、使用頻度が高いキッチンやトイレなどの水まわりは、生活動線においても重要度が高いです。
リフォームによって、かえって非効率な間取りになってしまわないよう注意しましょう。
配管・配線を確認する
大規模なリフォームを行う場合は配管・配線状況にも注意する必要があります。
例えば、浴室の位置を変えたり、トイレを増設する場合、場所によっては新たに配管工事を行う必要があり、工事期間が長くなったり、費用が上がってしまう可能性があります。
もともとの住居の構造によっては、工事そのものが困難であることも考えられます。
業者に依頼し、リフォームが可能なことを確認してから計画を立てるようにしましょう。
外観の違和感をなくす
築年数が古い住居を増築リフォームする場合、もともとあった壁と新しくできた壁とで見た目にギャップが生まれ、違和感のある外観になってしまう恐れがあります。
外壁全体を一新するという手法もありますが、その分費用もかさんでしまいます。
最適なデザインや予算になるよう、リフォーム業者と念入りに打ち合わせましょう。
日当たりやプライバシーに配慮する
増築リフォームを行うと、隣接する建物との距離が近くなり、日当たりが悪くなったり、プライバシーがなくなってしまう恐れがあります。
実際に増築してからでないとなかなか気付けないため、そのようなリスクがあることも事前に想定しておきましょう。
耐震性を保持する
前述した通り、増築リフォームでは1階はそのままに、2階や3階部分を拡張するケースもありますが、その際注意しなければならないのは耐震性です。
住居の重心が崩れないように、綿密なリフォームプランを立てなければいけません。
もともとの住居の耐震性によっては、上階の増設が難しいことも考えられるので、最初に確認しておくべきだと言えます。
建築基準法を遵守する
建築基準法には建ぺい率や容積率といった取り決めが含まれており、敷地面積に対して建築できる床面積の上限が決められています。
そのため、もともと床面積が上限一杯である場合には、増設リフォームを行えないことも考えられます。
実際にリフォームする場合には、どの程度まで床面積を拡張できるかを確認してから計画を立てましょう。
増築リフォームの費用相場
どれだけ広くするかによって増築リフォームの費用は大きく変動しますが、住宅の種類によっても少なからず差が生まれます。
参考として、8畳の個室を増築する場合の大まかな費用をご紹介いたします。
- 木造住宅を増築する場合:約300万~350万円
- 鉄骨住宅を増築する場合:約400万~450万円
- 2階を増築する場合:約450万~550万円
住宅の種類や構造に加えて、水まわりの工事の有無なども費用に影響します。
リフォーム計画を立てるためにも、まずは費用を把握しておく必要があるため、自分が望むリフォームでどれほどの費用がかかるのか、リフォーム業者に見積依頼をしてみましょう。
増築リフォームに必要な申請
前述した通り、増築リフォームに関しては建築基準法などの規則も深く関係しており、場合によって何らかの手続きや申請が必要になります。
よくある例を紹介するので、参考にしてみてください。
建物表題変更登記
増築するということは、住宅の構造が少なからず変化するということです。
その場合、リフォーム完了から1カ月以内に建物表題変更登記を法務局に提出する必要があります。
自分で申請するほか、リフォーム業者に申請を代行してもらえる場合もありますが、リフォームとは別に申請の代行費用が発生するということを把握しておきましょう。
建築確認申請
もともとの住居より10㎡以上床面積が広くなる場合、建築確認申請が必要になります。
基本的には新しい建築物を作り出す際に必要な申請ですが、中〜大規模な増築リフォームも対象になる可能性が高いです。
ポイントを押さえて理想の住まいに
通常の改築リフォームに比べ、床面積が拡張される増設リフォームは住居全体に大きな影響を及ぼします。
家の中は広くなるものの、それによっていくつかの問題を引き起こすリスクもあるため、リフォーム業者とよく打ち合わせながら計画を立てましょう。
わが家のマイスターでは増築のような規模の大きいリフォームのご相談も承っております。
見積依頼も受け付けておりますので、まずはどのくらい費用がかかるか知りたいという方も気軽にお問い合わせください。