外からの視界を遮り、プライバシーを守るためにはフェンスを設置することが有効です。
外観がおしゃれになるというメリットもありますよね。

こうした理由でフェンスを取り付ける方も多いですが、既にブロック塀がある場合はどうすれば良いのでしょうか。
ゼロからフェンスを取り付けることに比べ、どのように工事内容が異なるのか、どのような種類があるのかなど、さまざまな疑問があると思います。

今回のコラムでは、ブロック塀に後付けすることも踏まえながら、適切なフェンスの選び方について解説していきます。
リフォームによってフェンスの取り付けを検討している方は、ぜひご覧ください。

 

 

目 次

フェンスを設置するメリット・デメリット

 

フェンスを設置するメリット

まずはフェンスを設置するメリットから紹介します。

 

プライバシーを守る
例えば広い庭が付いている家だと、子どもと遊んだり、BBQをしたりと、色々な楽しみ方が考えられます。
しかし、人通りが多い道路に面していたり、隣の家との距離が近かったりすると、外からの視線が気になり、せっかくの庭も気兼ねなく活用することが難しくなってしまいます。

フェンスを設置する大きなメリットは、外からの視線を遮り、プライバシーを守ることができるという点です。
庭以外にも、リビング・浴室・トイレの窓の周囲に取り付けることで、安心して過ごせるようになります。

 

防犯効果がある
防犯性の高い家の特徴の一つは、侵入しにくい構造であることです。
ある程度の高さのフェンスがあると、それだけで防犯効果があります。
仮に敷地内に入られてしまった時も、ただのブロック塀だと完全に視界を遮ってしまい、周囲も異変に気付きにくいですが、隙間があるフェンスであれば、プライバシーを守りつつ、ある程度の視界も確保することができます。

 

外観がおしゃれになる
ひとまとめにフェンスと言っても、その素材や構造はさまざまです。
家に合うデザインのものを選べば、外観も一気におしゃれになります。

例えばシンプルな木製のフェンスは比較的どんな家にも合います。洋風な鉄製のフェンスも華やかで人気があります。
近年は選択肢も多くなっているため、自分の家にぴったりなフェンスを選ぶことができます。

 

安全性を高める
庭が道路に面している家でも、フェンスがあれば子どもやペットが急に飛び出してしまうことを防ぐことができます。
外からの飛来物を防ぐという効果もあります。
例えば台風の日に物が飛んできて、壁や窓が破損してしまうことは稀にありますが、フェンスがあればそのような事態も回避できる可能性があります。

 

 

フェンスを設置するデメリット

フェンスを設置するデメリットを解説します。
フェンスの種類や設置の仕方によっては、悪い効果が表れる可能性があることを覚えておきましょう。

 

圧迫感が出る
高さや素材によりますが、フェンスを取り付けることによって以前より圧迫感が出てしまうことは珍しくありません。
適切な高さにする、隙間を作る等で十分な開放感を維持することも可能ですが、内側からの光景は意外と盲点になりがちです。
設置してから後悔しないためにも、さまざまな視点からの光景をシミュレーションすることが大切です。

 

日当たり・風通しが悪くなる
隙間が少ない、あるいは全くないフェンスに関しては、日光を遮ってしまったり、風通しを悪くしたりしてしまうデメリットがあります。
洗濯物が乾きにくい、昼間でも屋内が暗くなってしまう等の恐れがあるため、フェンスの高さや隙間の有無などはよく検討しましょう。

 

 

フェンスの高さには制限がある

ブロック塀にフェンスを後付けする際は、もともとあるコンクリートブロックに穴を開けて、そこに柱を立てる「コア抜き」という手法が一般的ですが、その際に取り付けるフェンスの高さは120cm以下、かつ、ブロック+フェンスの高さが220m以下でなければならないという制限があります。

そのため、極端に高いフェンスを取り付けることは不可能です。
最低限の安全性を確保するため、ブロック塀の状態によってもフェンスの高さ上限は変化しますが、その点に関しては明確な規格がないため、専門家によって判断が異なる場合もあります。

一般的に適切なフェンスの高さは1.8~2.0mだと言われています。
この高さであれば、プライバシーを守りつつ、日当たりや風通しを損ねる心配もありません。

 

 

フェンス素材で雰囲気は全く異なる

フェンスはそれぞれのデザインによって大きく雰囲気が異なりますが、重要な要素の一つが素材です。
見た目はもちろん、耐久性などにも違いが生まれるので、主要なフェンスの素材を紹介します。

 

アルミ製

最もスタンダードなフェンスの素材はアルミです。

軽くて加工しやすいという特徴があるため、シンプルなものから個性的なものまで、そのデザインはさまざま。
カラーバリエーションも豊富です。

一定の強度を備えながらリーズナブルというところもアルミ製フェンスの長所であり、非常に汎用性の高い素材です。

 

スチール製

アルミよりさらに耐久性に優れている素材がスチールです。
衝撃に強いため、何かがぶつかったり、強風が吹いたりしても、よほどの衝撃でなければ破損することはないでしょう。

スチール製のフェンスは細い格子状のデザインであることがほとんどで日当たりや通気性が失われることはありませんが、プライバシーを守るという意味合いにおいては効果が低いといえます。

 

天然木製

自然の温もりが感じられる天然木製のフェンスは、どんな家にも合うバランスの良さと高級感が特徴です。
色味や触感に個性が表れるところも魅力の一つだと言えるでしょう。

ただし、天然木は他の素材と比較するとどうしても耐久性が低く、劣化しやすいです。
しっかり塗装やコーティングをしないと、すぐに変色したり、腐ったりしてしまいます。

 

人工木・樹脂製

人工の木で作られたフェンスであれば、ナチュラルなデザインと耐久性の高さを両立することができます。
天然木と見比べると素材としての個性は弱くなってしまうものの、コストパフォーマンスが高い素材です。

また、樹脂(プラスチック)の割合が多いと、よりツルツルとした手触りになります。
変色・腐食も起こりにくく、近年流行している和モダンな家とも相性が良いです。

 

 

目的に合ったフェンス構造を選択する

次はフェンスの構造について解説します。
構造によってデザインや機能が異なります。

 

完全目隠しタイプ

完全目隠しタイプのフェンスは、文字通り視界を完全に遮ってしまうことが特徴です。
プライバシーが確保できるという点においては最も高い効果を発揮しますが、反対にデメリットもいくつかあります。

デメリットの一つは日当たりや風通しが悪くなってしまうこと。
近年は技術の進化により、そのような弱点も改善されつつありますが、他の構造と比較すると、依然として劣ってしまいます。
日当たりや風通しを優先する場合は、他のタイプを選ぶようにしましょう。

また、視界を遮ってしまうことで人の目が行き届かなくなってしまうため、防犯面での不安がある場合、防犯カメラを付ける、砂利を敷くなど、他の防犯対策と合わせてご検討いただくことをおすすめします。

 

半目隠しタイプ

オーソドックスなフェンスの構造はこの半目隠しタイプだと言えます。
完全目隠しタイプとは違い、パネル同士の間に隙間が設けられているため、日当たりや風通しを確保できます。

ただし、隙間が大きくなればなるほど、プライバシーの確保が難しくなってしまいます。
スチール製フェンスなどは格子状のものがほとんどであり、視界を遮る効果は低くなります。

 

ルーバータイプ

ルーバータイプは細長い羽板をある程度の隙間が空くように並べた構造のものです。
窓に取り付けるブラインドカーテンと似た構造ですが、外からの視線をほぼ完全に遮りつつ、通気性も確保することができます。

また、風が通り抜けることができるので、強風が原因でフェンスが破損してしまう可能性も低くなります。
見た目もおしゃれで機能性も高いという理由で、人気の構造の一つです。

 

目透かしタイプ

他のタイプと比較するとまだ数は少ないですが、徐々に取り入れている家が増えてきているのが、目透かしタイプのフェンスです。
半透明の素材を使用することによって、日当たりも確保されます。
反対側も全く見えなくなるわけではありませんが、人が通ったとしてもぼんやりとシルエットが見える程度なので、プライバシーも確保できます。

 

 

プライバシーを確保しつつ、家もおしゃれに!

ブロック塀にフェンスを後付けする時に大切なポイントを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
フェンスを取り付けると、プライバシーを確保できるだけでなく、他にもさまざまなメリットがあります。

ただし、目的や家の構造に合ったフェンスを選ばないと、デメリットが発生してしまう可能性もあります。
デザインの好みも反映させつつ、自分の家にぴったりなフェンスを取り付けましょう。