廊下は部屋と部屋を繋ぐ大切な空間ですが、リビングや個室のように、その場所に長く留まるわけではありません。
間取りさえしっかりと計算されていれば、廊下がなくても生活する上で困ることはなく、ある意味ではデッドスペースと言えるかもしれません。廊下をなくしてしまえば、その分、他の部屋を広くすることが可能になります。
今回のコラムでは、廊下を撤去する際のポイントや必要な費用などをわかりやすく解説していきます。

 

目 次

廊下をなくすメリット・デメリット

リフォーム計画を立てる前に、まずは廊下をなくすことでどのようなメリット・デメリットがあるのかを理解しておきましょう。

 

廊下をなくすメリット

まず、廊下をなくすことには以下のようなメリットがあります。

  • 部屋の間取りが広がる
  • 生活動線を短縮できる
  • コミュニケ―ションが増える
  • バリアフリーとしても有効

 

部屋の間取りが広がる

廊下をなくすと、その分隣接する部屋の間取りを拡張することができます。
例えば、もともと廊下とリビングが隣接していた場合、廊下を撤去し、その分より広々としたリビングにすることが可能です。
住居そのものを増築し、リビングを拡張するということも不可能ではありませんが、敷地面積や住宅構造のようなハードルがいくつもあり、費用も高額になります。

 

生活動線を短縮できる

複数の部屋に繋がる廊下は生活の起点として機能しますが、反対に部屋を移動する際に必ず廊下を通らなければいけないというデメリットもあります。
住居の間取りにもよりますが、廊下をなくすことで部屋間の移動がスムーズになり、生活動線を短縮できる可能性があります。

 

コミュニケーションが増える

玄関から廊下、そのまま階段というように繋がっていると、家族と顔を合わせることなく1階を通り過ぎて2階に上がる動線となります。
反対に、廊下をなくし、2階に上るためには必ずリビングを通らなければいけない間取りになると、家族同士のコミュニケーションの機会が自然と増える動線が生まれます。

 

バリアフリーとしても有効

一般的に、廊下の横幅はあまり広くないため、車椅子を使用する人にとっては不便さを感じることが多々あります。
リフォームで廊下をなくすことは、住居の中から窮屈な空間をなくすことにもなるため、老後を見据えたバリアフリーリフォームとしても有効です。
ただ、本格的にバリアフリー仕様にリフォームする場合は、廊下だけでなく段差をなくし、かつ扉の開口幅を広げることをおすすめします。

 

廊下をなくすデメリット

一方で、廊下をなくしてしまうと以下のようなデメリットが発生するリスクもあります。

  • プライバシーの確保が困難になる
  • 臭いが広がりやすくなる

 

プライバシーの確保が困難になる

廊下をなくすデメリットとしては、まずプライバシーの確保が困難になることが挙げられます。
例えば、玄関とリビングを直接繋げてしまうと、誰かが訪ねて来る度にどうしてもリビングの中を見られてしまいます。
来客がある時、屋内を移動する度にお客さまの前を横切ることにもなりかねません。

また、視覚だけでなく、聴覚的なプライバシーも同様です。
廊下には防音の機能もあるため、それがなくなってしまうと、隣の部屋の音が聞こえやすくなってしまいます。

 

臭いが広がりやすくなる

廊下をなくすと、どこかの部屋で発生した臭いが他の部屋にも移りやすくなってしまいます。
例えば、料理や食事をするキッチン・リビングやトイレの臭いなど、住居全体に充満してしまうリスクがあります。
そのようなことを防ぐために、日頃のこまめな掃除や換気など、臭いの発生源をそのままにしておかないように対策する必要があります。

 

 

リフォームで廊下をなくす際のポイント

実際にリフォームで廊下をなくす際には、以下の2点を押さえておきましょう。

  • 動線の起点に注意する
  • 階段の位置に注意する

 

動線の起点に注意する

廊下をなくしてしまう場合、最も気を付けなければいけないのは住居全体の間取りです。
生活動線がどのように変化するのかをイメージしながらリフォームしないと、逆に暮らしにくい間取りになってしまう恐れがあります。
基本的には住居の中心にリビングを配置するのがおすすめで、リビングを起点に他の部屋に移動できるようにすると、廊下がなくても快適な生活を送ることができます。

 

階段の位置に注意する

間取りを考える上でもう一つ大切なのは階段の位置です。
廊下をなくしてしまうことで、階段の位置が不自然になってしまうことは珍しくありません。
一方で、位置はそのままに、階段の向きだけ変えることで解決するケースも多くあります。

階段を移動させる場合、おすすめはリビングに設置することで、この場合もリビングが起点になることで、2階への移動がスムーズになります。
リビングに階段を設置することで窮屈になってしまわないか心配な場合は、階段をスケルトン仕様にすることで圧迫感を無くすともできます。

 

 

廊下をなくすリフォームの費用

仮に廊下をなくして隣にあるリビングを拡張する場合、最低でも廊下とリビングの間にある壁を撤去する必要があります。
また、廊下とリビングでもともとの壁紙や床材が異なる場合は、見た目を保つためにそれらも張り替え、扉も新しく設置しなければいけない可能性があります。

このように、リフォームする場合は複数の工程が必要になり、その分費用も高くなります。
この場合のリフォーム費用相場は以下のようになっています。

  • 壁の撤去:20万円~
  • 壁紙の張り替え:5万円~
  • 床材の張り替え:10万円~
  • 扉・引き戸の設置:5万円~

ただ、これらはあくまで廊下をなくし、見た目を整える分のみの参考費用です。
間取り全体を大幅に変更する場合は、費用はさらに高くなります。

 

 

廊下を拡張するリフォームも人気

ここまでは廊下をなくすリフォームについて解説しましたが、反対に廊下を拡張するリフォームも一定数の人気があります。
ただ広くするだけでなく、装飾を施したり、収納スペースを設置することで、趣のある住居にすることができます。

また、廊下の一角を広げてセカンドリビングや書斎として活用するなど様々なケースがあります。
拡張費用、廊下を撤去する場合と大きく変わりません。
壁を撤去、あるいは増設し、壁紙や床材を整えると、およそ同等の工数がかかります。

 

 

間取りを変更して住みやすい住居に

リフォームを行う上では事前に緻密な計画を立てることが重要です。特に廊下の有無は住居全体の生活動線に影響します。
安易に廊下をなくしてしまうと、せっかく他の部屋が広くなったにも関わらず、住みにくい住居になってしまう恐れもあります。
メリットだけでなく、デメリットがあることも理解して、リフォームを検討しましょう。
リフォームの予算もあるため、まずはリフォームの専門家に相談し、見積りを出してもらいましょう。

リフォームに関する疑問や不安など些細なことでも構いませんので「わが家のマイスター」へお気軽にご相談ください。