国土交通省のガイドラインでは、壁紙の耐用年数は6年と定められています。
実際、壁紙は日常生活の中で少しずつ汚れていき、5年も経つ頃には傷や色褪せが目立つ箇所も増えていることでしょう。
そのため、壁紙は定期的にリフォームすることが望ましいですが、壁紙によって部屋の印象は全く異なります。
どのような壁紙を選べばいいのか迷ってしまう方のために、デザインを含め、壁紙のリフォームについて詳しく解説していきます。
壁紙リフォームのポイント
壁紙をリフォームする際には、デザインはもちろん、素材や機能性で選ぶことも重要です。
例えば、シンプルな壁紙を選ぶ時はできるだけ安いものを選びがちですが、素材によって質感は全く異なり、機能性を重視すれば生活の質そのものが向上する可能性もあります。
一つひとつポイントを押さえていきましょう。
壁紙のデザインの選び方
まずはデザインで壁紙を選ぶ際のポイントを解説いたします。
もちろん人それぞれ好みの違いがありますが、基本的には以下の点を覚えておきましょう。
- 床・天井・ドアとの組み合わせを考える
- 柄物を選ぶ時は慎重に
- アクセントクロスを取り入れる
- できるだけ大きなサンプルで確認する
床・天井・ドアとの組み合わせを考える
インテリアや照明などを除き、部屋のデザインを決定づける要素は以下のようなものが挙げられます。
- 壁
- 床
- 天井
- ドア
そのため、バランスが取れた部屋にするためには、壁紙単体で考えるのではなく、床・天井・ドアとの組み合わせや相性も考慮する必要があります。
例えば、部屋全体に統一感を出すには、全体を同系色にまとめることが最も基本的な手法です。
また、天井・壁・床の順番でグラデーションを意識しつつ、徐々に暗い色にしていくと、部屋の上部に開放感が生まれ、部屋全体が広く感じられます。
柄物を選ぶ時は慎重に
- 木目柄
- 花柄
- レンガ調
- コンクリート調
- アジアンテイスト
- ヨーロピアンテイスト
これらはあくまで一部であり、壁紙には単色以外にも多種多様なデザインがあります。
柄物の壁紙にすることで、個性的な部屋にすることができますが、派手過ぎたり、すぐに飽きがきてしまう恐れがあります。
好みも分かれがちなので、柄物の壁紙を選ぶ際には住人同士で慎重に相談しましょう。
また、全面ではなく1面だけ柄物を貼るのもおすすめです。
アクセントクロスを取り入れる
アクセントクロスとは、周囲とは異なる色味や柄物の壁紙のことであり、部屋の一部分のみに貼り付けられます。
先ほど解説した、1面だけ柄物を取り入れるのもアクセントクロスに該当します。
基本的には以下の点を押さえて選びましょう。
- 色味か明るさのどちらかを周囲と変える
- インテリアと色味を合わせる
- 複数の柄物を組み合わせるのは控える
ちょうど良い組み合わせを見つけるのは思いのほか難易度が高いので、まずはいくつか候補を挙げ、少しずつ絞っていきましょう。
できるだけ大きなサンプルで確認する
イメージでは良いと思っても、実際に貼ってみると想像と違ったということは珍しくありません。
このギャップを最小限にするためには、できるだけ大きなサンプルでデザインを確認することが大切です。
また、リフォーム後のお部屋を3Dで再現して確認できるシミュレーションツールも登場しているので活用することもおすすめです。
壁紙の素材の種類
次に壁紙の素材について解説いたします。
主に以下のような素材がありますが、種類によって質感は大きく異なり、部屋の印象も変化します。
- ビニールクロス
- 紙クロス
- 織物クロス
- オレフィンクロス
- 珪藻土クロス
- 漆喰クロス
ビニールクロス
壁紙で最もメジャーなのはビニールクロスです。
ビニールは加工しやすいという特徴があり、色や柄など、様々なデザインがあります。
リーズナブルな価格ながら、耐水性が高いため、汚れが付着しても水拭きで容易に落とすことができます。
紙クロス
デザイン性に優れた商品が多い傾向にある紙クロスは、一般的な洋紙のほか、和紙を使ったタイプもあります。
多少のビニール成分が含まれている紙クロスもありますが、紙特有の柔らかい質感を味わえることが大きな特徴です。
デメリットとしては、ビニールクロスと比較してクロスそのものが薄く、耐久性が低いことが挙げられます。
撥水加工が施されているものを除き、水拭きができないという点にも注意する必要があります。
織物クロス
- 木綿・麻・絹のような自然素材
- レーヨン・ポリエステルのような化学繊維
このような素材を使用した織物のクロスもあります。
他の素材と比較して高級感や重厚感が強く感じられる見た目で、耐久性や通気性にも優れています。
ただ、素材が優れている分、費用も高額で、絹を使った壁紙などは他素材の10倍ほどの価格がする場合もあります。
また、耐火性能が低いため、キッチンまわりの壁には使用できません。
オレフィンクロス
オレフィンとは正式名称をポリオレフィンと言い、合成樹脂を使用したプラスチックの一種です。
ビニールクロスに近い特性を持っており、水拭きが可能でメンテナンスしやすいという特徴があります。
ビニールクロスより傷付きにくく、静電気も起きにくいというメリットもありますが、その分価格も高くなります。
珪藻土クロス
コースターや吸水マットとして使用されるイメージが強い珪藻土は、塗り壁として使用されるほか、壁紙としてよりリーズナブルに取り入れることも可能です。
独特の手触りや凹凸のある見た目が特徴で、消臭機能・調湿機能があります。
ただ、塗り壁と比較して壁紙はどうしても厚みがないため、機能性は劣ってしまいます。
漆喰クロス
漆喰も塗り壁として取り入れられることが多い素材で、近年は漆喰風の壁紙も登場しています。
手で塗ったような独特の風合いは和室に使用されているイメージが強いですが、洋風の部屋とも相性が良いです。
珪藻土と同様に塗り壁には劣るものの、調湿機能によってジメジメした季節でも、乾燥しがちな季節でも快適に過ごせるようになります。
壁紙の最新機能
ここまでで既に解説した通り、壁紙は素材によって様々な機能を備えています。
技術の進化によっても機能は向上しており、例えば以下のような機能が挙げられます。
- 防傷性
- 防汚性
- 消臭機能
- 調湿機能
グレードによっても異なりますが、人気の最新壁紙はこのような機能を搭載しています。
特に小さな子どもがいる家庭や、ペットを飼っている家庭は壁紙に傷や汚れが付きやすいという悩みを抱いているケースも多いので、防傷性や防汚性に優れた壁紙がおすすめです。
また、消臭機能や調湿機能は部屋の快適さにも影響を与えるので、迷っている場合はリフォームの際、専門家に相談してみましょう。
壁紙リフォームの費用相場
次に壁紙のリフォームにかかる費用について解説していきます。
費用の内訳は、壁紙自体の価格と施工費に分けられます。
壁紙自体の価格は、壁紙のグレードによって様々です。
一般的なビニールクロスであれば1㎡あたり1,000円程度です。基本的には壁の面積だけでなく、余った切れ端部分も費用に含まれるということを理解しておきましょう。
施工費の相場は、10畳のお部屋で3万円程度~です。キッチンのような物や設備が多い場所は若干高くなる傾向にあります。
壁紙代を含めると、壁紙リフォームにかかる費用相場は5万円程度~となります。
仕上がりを重視するなら専門家に依頼
近年の壁紙には様々な種類があり、簡単に決めきれないかもしれませんが、ゆっくり悩むのもリフォームの醍醐味だと言えるでしょう。
今回のコラムで解説した通り、デザインだけでなく、素材や機能性にも着目して選んでみてください。
自分で壁紙を貼替える方も多いですが、サイズや素材によっては苦労してしまう場合もあります。
柄のある壁紙は継ぎ目の調節にも注意する必要があるため、きれいな仕上がりを優先するのであれば、専門家に任せることをおすすめします。
「わが家のマイスター」では、壁紙も含めて様々なリフォームを承っております。
壁紙を決めきれないという場合にも、お客さまのお好みを踏まえて適切なアドバイスをさせていただきます。お困りごとがあれば何でもご相談ください。