玄関アプローチとは、道路や門から玄関にかけて伸びている道のりのことです。
大抵は数メートルから十数メートルという短い距離ですが、玄関アプローチをリフォームすることで外観の印象は大きく変化します。

デザインの選択肢は幅広く、複数の住宅を見比べてみると、様々な玄関アプローチがあることがわかります。
今回のコラムでは、玄関アプローチの役割やリフォームで選べるデザインについて解説します。

 

 

目 次

玄関アプローチと玄関ポーチの違い

玄関アプローチとよく似た言葉で、「玄関ポーチ」というものがあります。
玄関アプローチが門から玄関手前までの道のりを指すことに対し、玄関ポーチは玄関を出てすぐの部分を意味します。
面積としての分類も異なり、玄関アプローチは外構面積、玄関ポーチは建物と同じく建築面積に含まれるという違いがあります。

 

 

玄関アプロ―チの役割

玄関アプローチにはいくつかの役割があります。
理想的な玄関アプローチにリフォームするためにも、改めてその役割を把握しておきましょう。

 

外観の印象を決める

敷地の中で最初に足を踏み入れる部分である玄関アプローチは、その住居の外観において非常に大切な要素であり、玄関アプローチのデザインで第一印象が決まると言っても過言ではありません。
洋風、和風、モダンといったように、建物に合わせた素材・構造を選ぶことが大切です。

 

道路から玄関へ誘導する

敷地面積が広い住居や、門から玄関まで距離がある住居だと、どこに玄関があるか一目で把握できない場合があります。
特に門から玄関が死角になっている場合によくあるケースですが、そのような構造でも、訪問者が迷うことなく玄関まで辿り着けるように誘導することが、玄関アプローチの役割です。

 

プライバシーを守る

玄関アプローチの三つ目の役割は、プライバシーを守ることです。
特に敷地が塀やフェンスで囲まれていない住居においては、玄関アプローチに壁や植物を上手く配置し、道路からの視線を遮ることが望ましいです。

 

 

玄関アプローチをリフォームする理由

玄関アプローチのリフォームは外構工事の一環として行われることが多いですが、リフォームする理由としては以下のようなことが挙げられます。

  • 老朽化が進んでいる
  • 雑草の手入れが大変
  • 水はけが悪い
  • プライバシーが守られていない
  • 段差や凹凸がある

 

老朽化が進んでいる

玄関アプローチをリフォームする理由の一つは、老朽化が進んでいることです。
毎日通っていると、その変化になかなか気付くことができませんが、改めて眺めてみると、新築時と比較して色褪せていたり、使用されている素材にヒビが入っていることが珍しくありません。

 

雑草の手入れが大変

長年玄関アプローチの手入れを怠っていると、雑草が無造作に生えてしまっていて、見た目を損なっていることが考えられます。
定期的な手入れが大変という理由もあり、リフォームする方が多いです。

 

水はけが悪い

素材の性質や経年劣化が原因で、玄関アプローチの水はけが悪いという悩みを抱いている方も多いでしょう。
雨が上がってしばらく経っても水が溜まっていると、見た目も良くなく、転倒のリスクもあります。
子どもや高齢者は特に注意が必要であるため、水はけが良く、滑りにくい玄関アプローチにリフォームする方が多いです。

 

プライバシーが守られていない

前述した通り、玄関アプローチの役割の一つはプライバシーを守ることです。
真っ直ぐな道のりの玄関アプローチは、道路から敷地内がはっきりと見えてしまっていることも珍しくなく、プライバシーの確保が難しいです。

  • 植物や壁が設置されている
  • 適度なカーブがある

玄関アプローチのリフォームで道路からの視線を遮るためには、上記のような構造に変更することが望ましいです。

 

段差や凹凸がある

玄関アプローチに段差や凹凸があると転倒のリスクが高まり、車椅子に乗っている人が家に出入りする際も、誰かの補助が必要になります。
老後に備え、玄関アプローチにスロープを設置するリフォームも人気が高いです。

 

 

玄関アプローチの素材・デザイン

玄関アプローチに使用されている主な素材を紹介します。
素材によって、デザインだけでなく、機能性も大きく異なります。

 

タイル

玄関アプローチに最も多く使用されている素材の一つがタイルです。
耐久性やコストパフォーマンスに優れるだけでなく、色・形状・サイズといったバリエーションが豊かで、住居の雰囲気に合わせて自由に選ぶことができます。
ただ、他の素材に比べて滑りやすいというデメリットに注意しなければいけません。

 

コンクリート

コンクリートは耐久性の高さが魅力の素材です。
このメリットを活かして駐車スペースに使用されていることも多いですが、玄関アプローチも同じコンクリートにすることで、外観に統一感を出すことができます。
一般的なコンクリートはシンプルな見た目をしていますが、「刷毛引き仕上げ」や「洗い出し仕上げ」にすることで、個性を出すことも可能です。

 

レンガ

レトロな雰囲気を好む方に人気が高いのが、レンガ素材の玄関アプローチです。
レンガならではの赤茶色は独特の温もりがあり、ひとつずつ異なる焼きムラをしているところも魅力の一つです。

近年、通常のレンガとは別に人気が高まってきているのは、レンガ風のコンクリートです。
コストの安さに加え、耐久性が高いことから人気が高まっています。

 

天然石

個性的なデザインを好む方には、天然石の玄関アプローチがおすすめです。
柄も形状も一つひとつ異なる天然石が不規則に並べられた玄関アプローチは、唯一無二のデザインだと言えます。
カラーバリエーションも多く、洋風と和風、両方に合わせられる点も天然石のメリットです。

 

砂利

何種類かある素材の中でも、砂利は安価で設置できることが特徴です。
軽く踏みしめただけでも音がするため、高い防犯効果があります。
ただし、砂利の間から雑草が生えてしまい、定期的な手入れが必要になる可能性があります。

 

枕木

枕木は昔懐かしい鉄道のレールのような雰囲気があります。
門から玄関まで一定間隔で並べることで、見た目も楽しい玄関アプローチになります。
ただ、素材自体は木製であるため、経年劣化による腐食や、白アリの被害に遭うリスクがあります。

 

 

玄関アプローチの施工事例

最後に玄関アプローチの施工事例を紹介します。
実際にリフォームする際にはご参考にしてください。

 

プライバシーを守る機能的な玄関アプローチ

 

一見シンプルな石材の玄関アプローチですが、門をくぐったところから玄関まで、ゆるやかなカーブが描かれています。
カーブがあることによって道路から敷地の中が見られにくく、適度なプライバシーを確保できています。
駐輪スペースや軒下に暖色系の照明を取り入れることで、暖かみのある印象を与えているところも特徴です。

 

白を基調とした清潔感のある玄関アプローチ

玄関アプローチ

外壁やフェンスの色に合わせ、全体を白で統一した清潔感のある玄関アプローチです。
家側には植物と照明を設置し、フェンス側には砂利を敷き詰めることで、シンプルながら随所に個性が表われているデザインが特徴です。

 

石材と自然を織り交ぜた玄関アプローチ

庭

石材と植物を絶妙に織り交ぜた、モダンな住居のデザインです。
屋外の敷地が非常に広い設計になっていますが、玄関アプローチによって、しっかりと玄関までの動線が形作られています。
大きめの植物を設置することで、リビングの窓が外から見えにくくなっているところも特徴です。

 

 

こだわりの玄関アプローチで理想の外観に

玄関アプローチをリフォームすれば、家の第一印象は大きく変化します。
近年はバリエーションも増加しており、素材、色合い、形状など、多くの選択肢の中から理想のデザインの玄関アプローチにリフォームすることが可能です。

玄関アプローチに限らず、リフォームについて何か不安や疑問があれば、「わが家のマイスター」へお気軽にご相談ください。
一人ひとりのお客さまに合わせて、最適なリフォームをご提案します。