梅雨の時期に入って室内に湿気が溜まると、ジメジメとして過ごしにくくなるだけではなく、住宅の耐久性が低下してしまう恐れがあります。
見えない部分で被害が深刻化していることも多いため、適切なリフォームを行うことで湿気に強い住宅にすることが可能です。

大切な家に長く住み続けるためにも、梅雨の湿気やカビの対策としておすすめのリフォームをご紹介いたします。

 

 

目 次

湿気が溜まりやすい住宅の特徴

各ご家庭の住宅構造や生活環境により、湿気の溜まりやすさは異なります。
雨が降るとすぐにジメジメしたり、頻繁にカビが発生する場合には、以下のような要因が考えられます。

 

部屋干しをする

天気が悪い日には部屋干しをするご家庭も多いですが、乾かす前の洗濯物には、衣服の重量の約60%にあたる水分が含まれています。
仮に5kgの洗濯物を部屋干しすると、除湿器などを使用しない場合、およそ3kgの水分が室内に充満することになり、湿度は一気に上昇してしまいます。

 

住人が多い

人口密度が上がると蒸し暑く感じられますが、その理由は呼吸や汗に水分と熱が含まれているためです。
一つの空間に複数人が集まると、その分温度と湿度は高まり、ジメジメとした空気が発生します。
料理や入浴のように、日常生活の中で水を使用することでも水蒸気は発生するため、住人が多いほど、湿度は上昇しやすい傾向にあります。

 

観葉植物が多い

インテリアとして観葉植物を置いているご家庭は多いですが、植物には根から吸い上げた水分を葉や茎から水蒸気として空気中に放出する「蒸散」という現象があります。
この現象は気温が上がると特に活発になるため、梅雨に観葉植物を室内に置いていると、さらに湿度は上昇します。

 

日当たりが悪い

天気が良くても、日当たりが悪いとジメジメした空気はなかなか消えません。
特に、隣接する建物との距離が近い場合、日当たりの悪さに悩まされている方も少なくないでしょう。
他にも、窓がない部屋や北向きの部屋は光が差し込みにくいため、湿気がたまりやすくなります。

 

風通しが悪い

風通しが優れないことも、湿気が溜まる大きな原因の一つです。
通気性が悪い部屋だけではなく、クローゼットや靴箱のような収納も、定期的に換気をしないと湿気が溜まってしまいます。

 

梅雨の湿気が住宅に与える影響

湿気は住宅にも影響を与えます。
耐用年数が早まることも考えられるため、どのような影響があるのかチェックしておきましょう。

 

カビ・ダニが発生する

およそ70%以上の高湿度になると、カビの発生率が急激に上昇します。
水まわり、収納の中、家具・家電の裏側などは特に湿気が溜まりやすく、いつの間にかカビが生えていることが珍しくありません。
同時にダニも繁殖しやすくなり、ベッドやソファに寝転んだ時にかゆみを感じたり、腫れや炎症などの症状が現れることもあります。

 

部屋干しの臭いが充満する

部屋干しをすると室内に不快な臭いが充満してしまいますが、その原因は洗濯で落としきれなかった汚れや雑菌です。
屋外に干した場合は紫外線によって殺菌されますが、部屋干しの場合は乾くまで時間がかかるため、さらに雑菌が繁殖してしまい、特有の臭いを発生させます。

 

フローリングが劣化する

木材でできているフローリングは、空気中の水分を吸うことで、曲がる、伸びる、膨張するといった形状変化を起こします。
基本的には乾燥することで元の形に戻りますが、それを何度も繰り返すと、フローリングの劣化が早まってしまいます。
湿気対策が十分ではない住宅だと、築年数が浅いにも関わらず、フローリングがきしんだり、へこんでしまう恐れがあります。

 

住宅全体が腐朽(ふきゅう)する

水分を含んだ木材は、腐朽(ふきゅう)の進行が早い傾向にあります。
これに伴って耐久性も落ちてしまいますが、さらに注意する必要があるのはシロアリの被害です。
シロアリは朽ちて柔らかくなった植物をエサとしているため、湿気対策を講じていない木造住宅は特に被害に遭いやすくなります。

 

コンクリートの強度が落ちる

耐久性が高く、家の土台に使用されることも多いコンクリートですが、木材同様、湿気によって強度が落ちてしまう恐れがあります。
コンクリートにもわずかな隙間があり、湿度が高いと、そこから徐々に水蒸気が内部へと侵入していきます。
溜まった水蒸気は内部で結露として液体化し、コンクリートに含まれる水酸化カルシウムが溶けだしたり、サビが発生する可能性があります。

 

 

湿気・カビ対策におすすめのリフォーム

湿気やカビに強く、丈夫な住宅にするためのリフォームを紹介します。
リフォーム計画を立てる際にはぜひ参考にしてみてください。

 

調湿効果のある建材に替える

近年は壁や天井を調湿建材に変更するリフォームの人気が高まっています。
調湿建材は表面に細かい空気孔が開いている構造が特徴で、湿気を吸収して除湿、あるいは放出して加湿し、快適な湿度を維持することができます。
それに伴って体感温度も変化するため、夏場は涼しく、冬場は暖かくなり、エアコンなどの電気代を節約することにも繋がります。

 

通気性に優れたウォークスルークローゼット

ウォークスルークローゼットは、人がそのまま通り抜けられる構造のクローゼットのことを言います。
ウォークインクローゼットとの違いは、出入口が二つ以上あることで、通気性が高く、湿気が溜まりにくい収納です。

部屋と部屋をつなぐ機能がある点もウォークスルークローゼットの特徴です。
例えば、玄関から洗面所の途中に設置することで、帰宅して上着を脱ぎ、そのまま手を洗いにいくというスムーズな動線が形成されます。

 

浴室換気乾燥機を設置する

浴室は家の中でも特に湿気が溜まりやすい場所です。
油断するとすぐにカビが発生してしまいますが、それを防ぐためには浴室換気乾燥機を設置するリフォームがおすすめです。

湿気が溜まりにくくなるだけではなく、天気が悪い日には洗濯物を干すことも可能です。
乾燥機の下に干すことで乾くまでの時間も短くなり、他の部屋に臭いが充満することもありません。

 

二重窓で結露の発生を防ぐ

結露は冬だけではなく梅雨にも発生し、窓枠の変色やカビの発生の原因になります。
結露は屋内と屋外の温度差によって発生しますが、通常の窓を二重窓にリフォームすれば、その温度差を最小限にすることができます。
断熱効果によって、過ごしやすい室温になることも、二重窓の大きなメリットです。

 

床下も湿気対策リフォームが可能

床下も湿気が溜まりやすい箇所の一つですが、腐朽(ふきゅう)が進んでいても気づきにくく、深刻化すると床上にも侵食する恐れがあります。
リフォームによって、以下のような湿気対策を施すことが望ましいです。

  • 床下換気扇を設置する
  • 防湿シートを敷く
  • 断熱材を使用する

床下の被害を修繕するには、大がかりな工事が必要になることも考えられるため、事前に対策を講じておくことが大切です。

 

 

湿気対策をして長く住める住宅に

全国の半数以上の住宅は湿気の影響を受けやすい木造住宅です。
しかし、鉄筋住宅や築年数が浅い住宅でも油断は禁物です。
ジメジメとした梅雨を快適に過ごすためにも、ぜひ今回紹介したリフォームを検討してみてください。

住宅構造によって適切なリフォームの内容は異なります。
まずは現地調査を行う必要があるため、わが家のマイスターにお気軽にご相談ください。