暑い季節に注意しなければいけない熱中症。
近年は感染対策としてマスクを着用していることもあり、より一層体調管理に気を遣う必要があります。
室内でも同様であり、実は全体的に見ても、自宅で発生する熱中症の件数は非常に多いです。
特に高齢者や小さなお子さまは室温が上昇することで体調を崩してしまうことも珍しくないため、今回はおすすめの熱中症対策リフォームをご紹介いたします。

 

 

目 次

室内こそ熱中症になりやすい

熱中症は屋外にいる時や運動している時に頻発するイメージが強いですが、発生場所として最も大きい割合を占めるのは住居です。
総務省のデータによると、令和3年に熱中症で救急搬送された件数は47,877件に上りますが、そのうち39.4%にあたる18,882件は住居で発生しています。
参照:総務省報道資料PDFそのため、自宅にいる時こそ適切な熱中症対策が必要です。
特に在宅時間が長い高齢者にとっては、夏場でも安全に生活できる住居であることが大切です。

 

 

熱中症の原因

熱中症の原因は、環境による原因と身体的な原因に分けられます。
適切なリフォームをするために、まずはそれらを理解しておきましょう。

 

環境による原因

熱中症は気温・湿度の両方が高い環境で頻発します。
室内であっても高温多湿の環境は生まれてしまうため、以下のような対策をすることが大切です。

  • エアコンや扇風機で温度を下げる
  • 窓を開けて風通しを良くする
  • 遮光カーテンやブラインドで日差しを遮る

 

身体的な原因

次に身体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 水分不足
  • 体調不良
  • 体温調節機能の乱れ

いずれの原因の対策としても、適度な水分補給を心がけ、規則正しい生活を守ることが大切です。
また、エアコンが効いた部屋に閉じこもるのではなく、適度に外出し、身体を暑さに慣れさせることも大切です。

 

 

室内で熱中症になるシチュエーションとは

自宅で熱中症を引き起こす場合、特に住居のどこで熱中症になりやすいかを解説します。
熱中症対策としてリフォームを行う際にお役立てください。

 

家事をしている時

廊下や洗面脱衣室など冷房が効いていない場所やお風呂など湿度が高くなりやすい場所で掃除をする場合は注意が必要です。最初に窓を開けて通気性を確保して、冷却グッズも活用しながら行いましょう。
その他、風通しが悪く高温多湿になりやすいキッチンで料理をすると、いつの間にか気温が上昇しているため気を付けましょう。

 

庭・ベランダにいる時

  • 庭の手入れをする
  • 洗濯物を干す
  • 子どもと遊ぶ

このような理由で外に出ることも多いですが、庭やベランダで熱中症を引き起こした場合も、住居での熱中症に数えられます。
例え短時間であっても、室内との温度のギャップに身体が対応できず、目眩がしたり、気分を悪くすることがあります。

 

在宅ワークをしている時

デスクワークであっても、仕事に熱中してしまうなどの理由で水分補給を忘れ、脱水症状を引き起こす場合があります。
オフィスでも自宅でも同じですが、在宅ワークの場合は一人でいることが多いため、意識を失ってしまうと、長時間誰にも気付いてもらえない恐れがあります。
常に飲み物を用意しておき、定期的に水分補給や休憩を取ることを心がけましょう。

 

入浴している時

  • 長風呂による体温の上昇
  • 発汗による水分不足

このような理由から、入浴時も熱中症が発生しやすいです。
ただし、適度に入浴することは身体を熱に慣らし、熱中症対策として効果があります。

  • 温度を高くし過ぎない
  • 長風呂は控える
  • 入浴後の水分補給を欠かさない

以上の点を抑えながら、シャワーだけで済まさず定期的に湯船にも浸かりましょう。

 

寝ている時

気温が高い夏の夜、人によっては一晩でコップ2杯分もの汗をかく場合があります。
発汗は体内の熱を放出する上で大切な機能ですが、それによって脱水状態になり、熱中症を引き起こすケースがあります。
睡眠前には適度に水分補給しておきましょう。

 

 

おすすめの熱中症対策リフォームと費用相場

ここまで解説したことを踏まえ、おすすめの熱中症対策リフォームを紹介します。
費用相場も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

断熱窓

熱は気温が高い方から低い方へ移動する性質があり、主に開口部=窓を経由して室内に侵入します。
窓を断熱構造にリフォームすることで気密性を高め、室温の変化を抑えることができます。

必要以上に冷房器具の出力を上げる必要もなくなるため、熱中症対策としてだけでなく、節電としても効果的です。
費用は約10万円〜で、窓のサイズや工法によって変動します。

 

シェード・オーニング

外気の侵入だけでなく、日差しも室内の気温を高める要因の一つです。
シェードやオーニングを設置し、日差しの熱を遮ることも、人気の熱中症対策リフォームです。

遮光カーテンなどと違い、部屋が暗くなることがない点がシェードやオーニングの大きなメリットです。
本格的なオーニングであれば20万円以上必要ですが、シンプルなスタイルシェードは数万円〜設置することができます。

 

浴室乾燥機

雨天時に洗濯物を乾かす際に便利な浴室乾燥機に、送風機能も搭載されていれば、暑い日でも快適に入浴できるようになり、熱中症対策としても効果的です。
リフォームによって後付けする場合の費用は30万円〜で、送風だけでなく暖房機能を搭載している浴室乾燥機もあります。
入浴前に浴室を温めておくことで、冬場に頻発するヒートショックの予防にもなります。

 

全熱交換器

通常の換気扇は、外気を循環させると同時に暖気も取り込んでしまいます。
それに対して、全熱交換器は室内の冷気を留め、屋外の暖気の侵入を防ぐことができるため、熱中症のリスクを抑えつつ、快適に過ごせるようになります。
全熱交換器そのものの費用は数万円〜ですが、工費は住居の構造や数によって大きく変動します。

 

断熱屋根

室温は上階の方が高くなりやすい傾向にありますが、その原因の一つが天井からの熱伝導です。
遮熱素材を敷き詰めた断熱屋根にリフォームすることで、熱中症対策としても高い効果を発揮します。
費用は100万円~で屋根の面積や住居の構造によって異なります。

 

外壁塗装

熱は外壁からも室内に伝わりますが、遮熱性が高い塗装を施すことで熱伝導を抑え、住居全体で熱中症を引き起こしにくくなります。
30坪程度の住居の外壁を塗装する場合の費用は80万円〜、屋根の塗装も行う場合は20万円〜加算されることになります。

 

 

熱中症対策リフォームで快適な夏に!

おすすめの熱中症対策リフォームを紹介しましたが、近年は選択肢も増加しているため、予算に合わせたリフォーム設計が可能です。
それぞれ熱中症対策以外にも多くのメリットがあるため、快適かつ安全に暮らせる住居にするためにも、ぜひ検討してみてください。

ただ、どのリフォームも住居によって費用は大きく変動します。
今回解説した費用相場はあくまで目安なので、詳細は「わが家のマイスター」にご相談ください。
お客さまの予算やご要望に合わせ、適切なリフォーム計画をご提案いたします。