大がかりなリフォームを行う際に決めなければいけないことの一つが、工事中の仮住まいをどこにするかということです。
近くに実家や親戚の家があれば問題ありませんが、広さや立地など様々なハードルが考えられます。

他にも一時的に賃貸物件を契約することも考えられますが、当然費用がかかります。
今回のコラムではリフォーム中の仮住まいに関する基礎知識や費用相場について解説いたします。

 

 

目 次

賃貸物件とウィークリーマンションの違い

リフォーム中の仮住まいとして借りる物件には、一般的な賃貸マンションのほかに、最短1週間から契約できるウィークリーマンションが挙げられます。
ただし、通常の賃貸物件と比較するといくつかの相違点があるので、一つひとつ解説いたします。

 

契約期間

基本的に通常の賃貸物件を契約する場合は中〜長期的に住むことが前提となっており、多くの物件では2年更新の契約形態になっています。
その場合、契約から2年以内に退去する場合には違約金が発生します。

一方でウィークリーマンションは、週単位・月単位といった短い期間で契約することが可能です。
中には日単位で契約できる物件もあるため、短期間のリフォーム中の仮住まいとして適切だと言えるでしょう。

 

手続きの複雑さ

賃貸物件に入居する際は審査を受けることが一般的で、支払能力や連帯保証人の有無によっては入居できない場合もあります。
ウィークリーマンションでも入居審査はありますが、通常の賃貸物件と比較すると簡易的です。
審査にかかる期間も短く、物件によっては申し込みから即日で入居できる場合もあります。

 

設置されている家具・家電

ほぼ全てのウィークリーマンションには、必要な家具や家電がもともと備え付けられており、すぐにでも生活を始められる環境が整っています。
通常の賃貸でも家具・家電が設置されている物件はありますが、ウィークリーマンションはある程度の生活用品まで用意されていることが多く、入居者の荷物はより少なく済みます。
大がかりな引越し作業も不要となるため、仮住まいの入居・退去がスムーズになります。

 

初期費用

賃貸物件に入居する際は、敷金と礼金のほか、不動産への仲介手数料が発生し、合計で家賃の3ヶ月〜半年分に相当します。
そのため、入居前にある程度まとまった費用が必要となります。
一方で、ウィークリーマンションはこのような初期費用がかからないケースがほとんどです。
1万円程度~の管理費が発生することがありますが、通常の賃貸物件と比較すると、大幅に負担を軽減できます。

 

賃料

備え付けの家具や家電が充実しているウィークリーマンションですが、その分賃料は割高です。
通常の賃貸物件の価格相場の倍額ほどかかることもあるため、一般的に長期に渡る入居はおすすめできません。

ただし、賃料に水道光熱費やインターネット代が含まれているウィークリーマンションも多く、ライフラインの手続きが不要というメリットがあります。

 

 

仮住まいにかかる費用はどれくらい?

通常の賃貸物件とウィークリーマンションの特徴を比較すると、長期的に住む場合は賃貸物件、短期的に住む場合はウィークリーマンションが適していることがわかります。

ただし、具体的にどれほどの期間で費用が逆転するのでしょうか。
条件によって異なりますが、参考として4人家族の場合にかかる費用を比較していきます。

 

賃貸物件の場合

  • 1ヶ月:60万円~
  • 3ヶ月:80万円~
  • 6ヶ月:120万円~
  • 12ヶ月:190万円~

ファミリータイプの賃貸物件に住む場合の費用相場は上記の通りです。
家賃のほか、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用、引越し費用がかかるため、たった1ヶ月だけでも大きな負担になります。

ただ、初期費用の負担が大きい分、入居期間が長くなればなるほど月あたりの負担は軽くなっていきます。

 

ウィークリーマンションの場合

  • 1ヶ月:20万円~
  • 3ヶ月:50万円~
  • 6ヶ月:110万円~
  • 12ヶ月:210万円~

一方、ウィークリーマンションの費用相場は上記の通りです。
水道光熱費やインターネット代は家賃に含まれているケースも多く、他に大きな費用もかかりません。

ただし、家賃自体が割高ということもあり、およそ半年ほどで通常の賃貸物件の費用に追いつきます。

 

工事が延長した場合の仮住まいの費用

工事が延長してしまい、本来予定していた日程でリフォームが完了しないと、仮住まいの費用も大きくなってしまいます。
その際、増額した分の費用を誰が負担するかは延長の原因によって異なります。

例えば、雨や雪、地震のような災害で工事が延びてしまった場合、それに伴って発生した費用は依頼者が負担することが多いです。
一方で業者のミスによって工事が長引いてしまった場合は、仮住まいの費用を負担してもらえるだけでなく、損害賠償金を請求できる場合があります。

契約内容によって異なってくるため、あらかじめ契約書を確認し、計画通りにリフォームが進行しなかった場合にはどのように対処すべきか確認しておきましょう。

 

 

生活しながらリフォームすることは可能?

規模が大きいリフォームや、生活に影響するリフォームを行う場合は、基本的にリフォームしながら生活することは困難です。
具体的なリフォームを3つ挙げますので、一つひとつ見ていきましょう。

 

フルリフォーム・スケルトンリフォーム

フルリフォームやスケルトンリフォームは、骨組みだけを残して壁や下地などを一度全て解体してしまうため、リフォームしながら生活することは困難です。
また、家の中にある荷物も別の場所に移さなければいけません。

中には1階と2階とで分けて工事するケースもありますが、生活スペースが限定されるだけでなく、工事の効率を落としてしまう可能性もあります。

 

水まわりのリフォーム

  • お風呂
  • 洗面所
  • キッチン
  • トイレ

上記のような水まわりの設備は生活する上で欠かせませんが、これら単体でのリフォーム規模は大きくないため、工期はそこまでかかりません。数日程度で完了するのであれば、多少の不便さはあるものの、生活しながらリフォームすることも可能です。

 

騒音・振動が激しいリフォーム

壁や床、天井など、住居の構造に手を加える場合は少なからず騒音や振動が発生します。
生活スペースや設備自体は問題なくても、快適に生活するのは困難であるために仮住まいが必要となる場合があります。

ただ、平日の昼間のように、住人が誰もいない時間帯にリフォームをしてもらう方法もあります。工事する時間と生活する時間を分けられるため、仮住まいを用意することなくリフォームすることができます。

 

 

仮住まいで住民票の移動は必要?

仮住まいをすることになった場合、住民票を移す必要があるのかと気になる人も多いです。
法律では、生活拠点が1年以上移ることになった場合には住民票を移す必要があると定められています。

仮住まいに移ってから2週間以内に手続きを済ませ、自宅に戻る際にも再び2週間以内に手続きを済ませましょう。
もし住民票を移さないと、新住所において、以下のようなことができなくなってしまう恐れがあります。

  • 住民票を含めた各種証明書の発行
  • 確定申告
  • 選挙権の行使
  • 公共サービス(図書館や福祉サービス)の利用

 

 

仮住まいを始める際の注意点

最後に仮住まいを始める際の注意点を解説いたします。
以下の点を忘れずに引越しましょう。

  • ライフラインの使用停止手続き
  • 郵便物の転送手続き
  • ペットを連れていけるかの確認

 

ライフラインの使用停止手続き

仮住まいをしている間は、もともとの住まいで電気・ガス・水道といったライフラインを一時的に使用しなくなりますが、全く使っていなくても基本料金が発生します。
引越しの際、停止手続きを欠かさないようにしましょう。

また、インターネット回線や固定電話も同様です。
インターネット回線に関しては仮住まいする物件にもともと付いている場合もあるため、状況に応じて停止手続き、あるいは移転手続きを行いましょう。

 

郵便物の転送手続き

郵便物の転送手続きも忘れずに行いましょう。
1年の間、宛先が旧住所になっている荷物を無料で新住所に転送してもらえます。

ただし、一度行った転送手続きを途中で解除することはできないため、リフォームが完了し、自宅に戻った時は再度転送手続きを行う必要があります。
郵便局の窓口のほか、ポスト投函やインターネット上でも手続きを行うことが可能です。

 

ペットを連れていけるか確認

ウィークリーマンションの中にもペットと一緒に暮らせる物件はありますが、数は多くありません。
どうしても適切な物件が見つからない場合は、誰かに預かってもらうことも考えられます。

ペットホテルという選択肢もありますが、ペットの種類によって1泊あたり3,000円程度〜。
1ヶ月間預けるとなると、数万円程度の費用がかかります。

 

 

期間に応じて適切な選択を

一般的な賃貸物件やウィークリーマンションなど、リフォーム中の仮住まいにはいくつか選択肢がありますが、実際にいくらかかるかはリフォームにかかる工期次第です。
一概にどのような物件が安いかは決められないため、条件を当てはめて実際に比較してみましょう。

「わが家のマイスター」では、お客さまに合わせて適切なリフォームプランを提案させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。