選び方一つで家の印象が大きく変わる外壁材。
見た目だけでなく、メンテナンス頻度や費用にも影響します。
そのため外壁材は、自分が重視したいポイントを明確にしてから選ぶことが大切です。
この記事では、さまざまな外壁材の種類と特徴をわかりやすく解説します。
外壁材を選ぶときのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
外壁材の種類と特徴
一口に「外壁材」と言っても、その種類はさまざま。
まずは一般住宅に採用される外壁材の主な種類を解説します。
窯業系サイディングボード
セメント質と繊維質を主成分としたサイディング(板状の外壁材)のこと。
デザイン・カラーが豊富で選択肢が多く、コストパフォーマンスにも優れていることから、たくさんの住宅で採用されています。
ただし素材自体に防水機能がなく、防水性をキープするには定期的な塗装メンテナンスが必要です。
<特徴>
・デザイン、カラーが豊富
・コストパフォーマンスが良い
・継ぎ目が目立つ場合がある
<塗装目安※>
7〜8年
金属サイディングボード
アルミやスチールなどの金属を使用したサイディング。
軽量で耐久性や防火性に優れ、経年変化による色褪せが少ないのが特徴です。
中でも近年は、アルミニウムと亜鉛を合金でコーティングしたガルバリウム鋼板が人気を集めています。
<特徴>
・軽量で耐久性が高い
・経年変化による色褪せが少ない
・夏場は熱を伝えやすい
<塗装目安※>
10〜15年
樹脂サイディングボード
塩化ビニール樹脂を主成分とした外壁材で、サイディングの中では比較的新しい素材です。
軽量で弾力性があり、耐久性や断熱性も比較的高いのが特徴。
凍害や塩害にも強いため、寒い地域や海沿いの地域にもおすすめです。
<特徴>
・凍害や塩害に強い
・軽量で施工性が良い
・熱伝導率が低い
<塗装目安※>
10〜20年
木質系サイディングボード
天然の木材を使用したサイディングのこと。
「羽目板」とも呼ばれ、自然素材ならではの温かみのある風合いが魅力です。
ただし天然素材を使用するため、その他のサイディングに比べて価格は高め。
また湿気や虫害に弱いというデメリットがあり、短いスパンでの定期的なメンテナンスが必要になります。
<特徴>
・天然木ならではの風合いがある
・費用が高め
・しっかりとしたメンテナンスが必要
<塗装目安※>
3〜5年
モルタル
セメントと砂を水で混ぜた塗り壁。
強度が強く、耐火性にも優れています。
ただし伸縮性がなく、ひび割れが生じやすい点に注意。
またモルタル自体の耐水性は低く、塗装で表面に防水性を持たせているため、定期的な塗り直しが必要です。
<特徴>
・耐火性に優れている
・伸縮性がなく、ひび割れが生じやすい
・防水性が低く定期的な塗装が必要
<塗装目安※>
8〜10年
漆喰
消石灰、砂、海藻糊などを原料とした自然素材の塗り壁。
職人が手作業で塗るため、味わいのある外壁に仕上がります。
また防火性や調湿性に優れ、適切なメンテナンスを行うことで100年以上もつと言われています。
ただし、施工者の技量によって仕上がりに差が出やすい点に注意が必要です。
レンガ
粘土・泥・砂などを型に入れて、乾燥または焼き上げた素材。
欧米の住宅で多く見られる外壁材で、独特の風合いと高い断熱性・耐火性が特徴です。
施工には専門の技術が必要であり、初期コストも高めですが、メンテナンスの必要はほとんどありません。
コンクリート壁
水とセメント、砂、砂利を主原料としたもの。
非常に強度が高く、防火性能にも優れています。
ただし断熱性が低く、外気の影響を受けやすい点に注意。
ひび割れや防水機能の劣化から、内部に雨水が入り込む可能性もあるので、定期的な点検・メンテナンスが欠かせません。
<特徴>
・耐久性能、防火性能が高い
・断熱性が低く、外気の影響を受けやすい
<塗装目安※>
15〜20年
ALCボード
コンクリートを軽量気泡化し、板状にした外壁材。
断熱性、耐火性、耐久性に優れているのが特徴です。
ただしALCボード自体は水分を吸収しやすいため、定期的な塗装メンテナンスが必要になります。
<特徴>
・通常のコンクリートに比べて軽い
・断熱性、耐火性、耐久性に優れている
・防水性が低く定期的な塗装が必要
<塗装目安※>
8〜10年
トタン張り
亜鉛メッキを施した薄い鋼板を使用した外壁材。
防水性・耐久性に優れており、比較的安価で施工も簡単です。
築30年以上前の建物に多く見られますが、断熱性や遮音性が低く、錆びやすいというデメリットがあります。
<特徴>
・防水性、耐久性に優れている
・断熱性・遮音性が低い
・現在は外壁に使用されることはほとんどない
<塗装目安※>
10〜15年
タイル
粘土などを高温で焼き上げた素材。
一度施工すれば長期間にわたって美しさを保つことができ、ほとんど塗装メンテナンスが不要なのが大きな特徴です。
ただし、一般的なサイディングの外壁に比べて初期コストは高額になる傾向にあります。
<特徴>
・耐久性に優れる
・色あせがほとんどない
・メンテナンス頻度が少ない
・初期コストが高い
<塗装目安※>
10〜15年
※塗装目安は「リフォームの教科書 愛知・岐阜・三重 vol.2(P74・75)」より引用。
外壁材を選ぶときのポイント
上記の通り、外壁材にはさまざまな種類があるので、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
外壁材選びでは、自分が重視したいポイントを明確にしてから選ぶことが大切です。
例えば「なるべくメンテナンスをしたくない」「継ぎ目のないデザインにしたい」「コストを抑えたい」など、ご自身の優先順位を決めておくことで、満足度の高い選択ができます。
主に確認しておきたいポイントは以下の2つです。
1. メンテナンス周期
外壁材の多くは定期的なメンテナンスが必要です。
塗り直しなどのメンテナンス周期は材質によって異なり、例えば窯業系サイディングボードは7〜8年、樹脂サイディングボードは10〜20年といった具合です。
メンテナンスの手間や費用も含めて検討しましょう。
2. デザイン
外壁材は、家の印象を大きく左右します。
和風、洋風、モダンなど、家の雰囲気に合わせた素材選びが重要です。
また、同じ種類の外壁材でも色や形状のバリエーションが豊富なものもあります。
周囲の景観との調和も考慮に入れると良いでしょう。
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