「家の中が寒い」という悩みを抱いている方は意外に多くいらっしゃいます。
エアコンやヒーターを使用すれば解決するかもしれませんが、帰宅してすぐに部屋が温まるわけではなく、電気代も高くなってしまいます。
可能であればもともとの室温を下げないことがベストですが、そこでおすすめなのが内窓を設置することです。
今回は寒い冬でも家の中で快適に過ごせるようになるため、内窓のリフォームについて解説していきます。
内窓とは
内窓とは通常の窓の内側に設置されるもう1枚の窓のことです。
寒い地域では当たり前のように取り付けられていますが、そのことからもわかる通り、室温の低下を防ぐことができる点が最大の特徴です。
また、内窓にはそれ以外にも様々な特徴があり、地域に関係なく、年々導入件数が増加しています。
ちなみに、内窓には「二重窓」や「二重サッシ」といった他の呼び名がありますが、一般的には全て同じ意味を持っています。
内窓リフォームのメリット・デメリット
内窓リフォームには寒さ対策以外にも多くのメリットがありますが、反対にデメリットもあります。
それぞれ詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
内窓リフォームのメリット
まずは内窓のリフォームのメリットからご紹介いたします。
内窓を設置するだけで、以下の6つの効果があります。
- 断熱効果がある
- 省エネ対策になる
- 結露対策になる
- 見栄えが良くなる
- 防音効果がある
- 防犯対策になる
断熱効果がある
前述した通り、内窓の最大のメリットは寒い冬でも快適に過ごせるようになる断熱効果です。
内窓がある場合とない場合の違いは上図の通り。
外気が当たる窓付近はもちろん、部屋全体が5℃ほど暖かくなっていることがわかります。
高い断熱効果を発揮する理由は、2枚の窓の間に空気の層ができているためです。
実は空気は物質に比べて非常に熱伝導率が低く、それを内窓で閉じ込めることにより、冷気が室内に伝わることを防ぐことができます。
省エネ対策になる
室温の低下を防ぐことができると、必然的にエアコンやヒーターのような暖房器具の使用頻度が下がります。
電気代を節約できるだけでなく、省エネ対策としても効果的です。
また、内窓は寒さだけでなく、暑さ対策としても有効です。
窓が2枚あることによって室温がさらに上がってしまうと勘違いされてしまうことも多いですが、温度に関係なく外気を遮断してくれるため、夏場でも快適に過ごすことができます。
結露対策になる
寒い朝によく発生している結露。
ただ窓が濡れてしまうだけでなく、湿気によってカビが発生したり、垂れた水滴が窓枠の劣化を早めてしまう恐れがあるため、何らかの対策を施すことが望ましいです。
そんな結露が発生する原因の1つは、外と中の温度差です。
内窓を設置すれば外気の温度が伝わりにくくなるため、室温との温度差がなくなり、結露が発生しにくくなります。
見栄えが良くなる
窓のデザインにおいて、意外に重要なのがサッシ部分です。
通常の窓のサッシは金属製であることが一般的ですが、内窓のサッシはそれ以外にも木製など、程よく個性があるデザインのものも多いです。
例えば、明るい木目のサッシの内窓を設置すれば、壁に程よくアクセントが付き、さりげないおしゃれさを醸し出すことができます。
防音効果がある
近所の騒音や道路の車の音など、周辺環境によって騒音の悩みを抱えている住居も多いでしょう。
防音対策はいくつか挙げられますが、内窓もその1つです。
断熱効果と同じように、2枚の窓の間に空気の層があることで、外から入ってくる音を遮断することができます。
防犯対策になる
窓は空き巣犯にとって主な侵入経路の1つですが、内窓があるとその分侵入に時間がかかってしまうため、狙われてしまう危険性がグッと低くなります。
ちなみに、近年はセキュリティに優れた錠金具も登場しています。
内窓と組み合わせることでさらに防犯性を高めることができるので、興味がある方はリフォーム業者との打ち合わせの際に相談してみましょう。
内窓リフォームのデメリット
一方で、内窓リフォームには以下のようなデメリットもあります。
これらも押さえておきましょう。
- 窓の開閉が大変になる
- 掃除に手間がかかる
- 部屋が狭くなる
窓の開閉が大変になる
内窓があると、窓を開け閉めする際は当然2枚の窓を動かす必要があります。
1回1回は大したことではありませんが、毎回行うとなると、それなりに手間に感じてしまうかもしれません。
実際はある程度の日数が経てば慣れてしまう人がほとんどですが、リフォームしたばかりの頃は少なからずストレスを感じてしまうケースも少なくないようです。
掃除に手間がかかる
掃除に時間がかかってしまう点も内窓のデメリットの一つです。
外窓の内側、あるいは内窓の外側は比較的汚れにくいものの、きれいにしなければならない窓が2枚に増えたことで、お手入れに時間がかかってしまうかもしれません。
また、窓だけでなくサッシ部分のレールも汚れが溜まりやすいため、目が細かいブラシなどを使ってこまめに掃除することが望ましいです。
部屋が狭くなる
一般的に内窓を設置する際は新しいサッシを取り付ける必要がありますが、その分内側にせり出してくることになります。
サッシの幅は数センチ程度ですが、実際に取り付けてみると意外に圧迫感を感じてしまうかもしれません。
内窓のリフォーム事例と費用
内窓のリフォームにはどれほどの費用がかかるのでしょうか。
実際にあったリフォーム事例と一緒にご紹介いたします。
リビングの内窓リフォーム
- 築年数:30年
- 費用:145,000円
- 仕様:Low-E複層ガラス(高断熱タイプ)
- サイズ:W1660×H1990
冬場の寒さ対策と、駐車場の騒音対策として内窓を設置しました。
断熱効果と防音効果の両方を得ることで、快適なリビングダイニングを実現しています。
書斎の内窓リフォーム
- 築年数:27年
- 費用:66,000円
- 仕様:一般複層型ガラス
- サイズ:W1247×H952
机の隣にある窓に内窓を設置。
夏や冬でも快適に過ごせるだけでなく、騒音に邪魔されにくい環境になりました。
浴室の内窓リフォーム
- 築年数:25年
- 費用:70,000円
- 仕様:一般複層型ガラス
- サイズ:W740×H685
新しいシステムバスにリフォームすると同時に、内窓も設置することに。
浴室も寒さを感じやすい空間の1つなので、内窓の設置は室温の低下を防ぐ対策として有効です。
洗面所の内窓リフォーム
- 費用:50,000円
- 仕様:一般複層ガラス
- サイズ:W1224×H612
洗面所にある小窓に内窓を設置しています。
冬になると、お風呂を出た途端に寒さを感じてしまうことも多いのではないでしょうか。
内窓を設置すれば洗面所の室温が下がりにくくなり、入浴後の温度差が小さくなります。
トイレの内窓リフォーム
- 築年数:43年
- 費用:44,000円
- 仕様:Low-E複層ガラス(断熱タイプ)
- サイズ:W701×H635
リビングなど居室と比べ、トイレは冷暖房設備が設置されていない場合が多く、どうしても夏は暑く、冬は寒くなってしまいます。
内窓を設置することで外の冷気の侵入を防ぎ、そのような不満も解消することができます。
※掲載の費用は一例です。設置場所・商品仕様・施工方法等によって異なります。
内窓で過ごしやすい家に
冬の寒さだけでなく、夏の暑さの対策としても有効な内窓。
室温に悩まされているという方は設置してみてはいかがでしょうか。
特に大がかりな工事も必要ないので、費用や工期の面に関しても気軽にリフォームできる点が内窓の魅力です。
紹介した事例のように、リビング以外の部屋に対しても有効ですが、どこに設置すればいいか迷ってしまうという方は「わが家のマイスター」にご相談ください。
お客さまがどのような悩みや不満を抱いているのか丁寧にお伺いしながら、プロの視点から適切なアドバイスをさせていただきます。