築数十年以上の古い家屋を、再び住めるようにリノベーションする古民家リフォーム。

リモートワークの普及により、地方でも不自由なく暮らせるようになったことから、都市部を離れ、地方の古民家をリフォームして新たな生活を始める人たちが増加しています。


ただ、古くなった建物を再び住めるようにリフォームするのは容易ではありません。

様々な注意点がある上、費用も高額なので、今回のコラムで古民家リフォームについて詳しく解説いたします。

目 次

古民家の定義とは

近年注目度が上がっている古民家リフォームですが、そもそも古民家とは具体的にどのような建物を指すのでしょうか。
一般的には「50年以上前に建てられた建物」という認識が普及しているものの、実は明確に定義付けられているわけではありません。

しかし、一般社団法人全国古民家再生協会では「昭和25年の建築基準法の制定時に既に建てられていた『伝統的建造物の住宅』すなわち伝統構法」だと定義付けられています。
参考:一般社団法人全国古民家再生協会
http://www.gcpc.org/%E3%80%8C%E5%8F%A4%E6%B0%91%E5%AE%B6%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6昭和25年(西暦1950年)となると今より70年以上前になります。
それだけでも十分貴重な建物だと言えますが、具体的には木造軸組構法で建てられていることが特徴として挙げられます。

木造軸組構法は古くから多くの住居に取り入れられている構法で、太い柱や梁が使用されています。
他にも土間や瓦屋根のような歴史ある日本家屋らしさが見られるところも、古民家の特徴だと言えます。

 

古民家リフォームの魅力とは

独特の魅力がある古民家をリフォームして再利用することには様々なメリットがあります。

ただ、反対にデメリットもあるため、現在古民家リフォームに興味を持っている方は参考にしてみてください。

 

古民家リフォームのメリット

まず古民家リフォームには以下のようなメリットがあります。

  • 趣深い生活を味わえる
  • 天然素材が使用されている
  • 税金を抑えられる

趣深い生活を味わえる

最新の住居にはない趣深さを味わえるのは、古民家ならではのメリットだと言えるでしょう。

建物自体の劣化や利便性の低さなどが気にかかりますが、しっかりとリフォームすることで、古民家らしい特徴を残しつつ、快適な住居に再生することができます。

 

天然素材が使用されている

近年建てられる住居は化学物質を放散する人工素材が使用されている場合があり、シックハウス症候群を発症する恐れがあります。

一方で古民家には、身体に優しい天然素材が使用されていることが多いため、シックハウス症候群のリスクが低く、健やかな環境でくらしをたのしむことができます。

 

税金を抑えられる

土地や建物といった不動産を購入すると、固定資産税を毎年支払う必要があります。

納税金額はその不動産の価値によって変動しますが、新築に建て替えるより既存の古民家をリフォームした方が評価額が低く、納税金額を抑えることができます。

また、古民家リフォームに対して補助金が支給される地域もあります。

そのような制度は特に過疎化が深刻な地方で頻繁に施行されているので、ご自身の地域も該当しないか調べてみましょう。

 

古民家リフォームのデメリット

反対に、古民家リフォームには以下のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。

  • 設備が古い
  • 耐震性が低い
  • 気密性が低い

設備が古い

築年数が古い古民家はあらゆる設備が古く、そのまま生活するには不便さを感じる部分が少なくありません。

特に配管・配線まわりが劣化している場合は深刻で、古民家自体は安くても、想像以上のリフォーム費用が発生してしまう可能性があります。

 

耐震性が低い

建築基準法は定期的に見直されていますが、その中の一つが耐震性能です。

地震が頻発する日本において、耐震性能は非常に重要であり、建築物が満たすべき基準値は以前に比べて厳しくなっています。

つまり、何十年も前に建てられた古民家はそもそも耐震性が高くないことに加え、経年劣化の影響もあるため、できるだけ補強工事を行うべきだと言えます。

 

気密性が低い

エアコンがない時代に建てられた古民家は風通しが重視されていたということもあり、気密性が低い傾向にあります。

夏場は自然の風だけでも快適に過ごすことができますが、反対に冬場は厳しい寒さに耐えなければいけません。

耐熱リフォームを施し、冬場でも快適に暮らせる住居にすることが望ましいです。

 

 

古民家リフォームの費用相場

劣化が目立つ箇所を修繕し、耐震・耐熱リフォームまで実施すると、ほぼ住居全体をフルリフォームすることになります。

築年数や広さにもよりますが、本格的にリフォームする場合の費用相場は1,000万円程度~で、どれだけ安くても500万円程度はかかるでしょう。

場合によっては、柱・梁・屋根などの主要構造のみを残し、それ以外を全て取り替えるスケルトンリフォームが必要になり、1,500万円以上の費用が必要となる場合もあります。工事内容が多いということは、もともとの古民家の面影も少なくなってしまうということです。

そのようなことを回避するためには、リフォームする古民家から計画的に選定する必要があります。

 

 

安く古民家リフォームするポイント

解説した通り、住居全体を再生する古民家リフォームは、多額の費用が発生します。

それを少しでも安く抑えるために、大切なポイントを解説していきます。

 

状態が良い物件を選ぶ

あくまで一般的な参考値ではありますが、耐用年数の関係から、木造住宅の価値は築20年を超えた時点でほぼゼロになります。

つまり、築20年以上の家屋であれば、状態の良し悪しによって価格が受ける影響は大きくないということになります。

ただ、リフォームにかかる金額はもともとの状態によって大きく変動します。

  • 雨漏りしていないか
  • シロアリ被害がないか
  • ライフラインを活用できるか

例えばこのような項目を専門家に調査してもらい、少しでも状態が良い物件を選びましょう。

 

既存の素材・構造を活用する

購入者の嗜好にもよりますが、柱や梁はもちろん、壁や床なども既存の構造をそのまま活用することが、リフォーム費用を抑えるポイントです。

大まかな建材を全て新しい素材に入れて替えてしまうと、その分費用もかさんでしまいます。

また、もともとの古民家の良さを活かしたい場合にも、できる限り既存の姿は残しておくべきだと言えるでしょう。

気を付けなければいけないのは、旧素材と新素材のバランスを見誤ると、コンセプトがぶれてしまい、せっかくの古民家の良さを失ってしまう恐れがあるということです。

 

補助金を活用する

先ほども解説した通り、地方を中心に古民家リフォームを支援する補助金制度が、各自治体によって施行されています。

全ての地域で施行されているわけではなく、支給金額もそれぞれ異なりますが、金銭的な負担を軽減するためにもぜひ活用することをおすすめします。

また、古民家リフォームで人気が高い耐震・耐熱・バリアフリーを目的としたリフォームも、補助金や助成金の対象になるケースが多々あります。

それらも含めて、各自治体のホームページなどで確認してみましょう。

 

 

専門家に相談し適切な古民家リフォームを

特有の雰囲気を味わえる古民家リフォームは年々人気が高まっていますが、築年数が古い分、高額のリフォーム費用が発生します。

どの部分を残し、どの部分を新しくするかは、リフォームを依頼する専門家によって異なるでしょう。

そのため、古民家リフォームのような大がかりなリフォームは信頼できる専門家を選ぶことが重要です。

「わが家のマイスター」は東邦ガスのリフォーム専門ブランドであり、多数の実績があります。

古民家リフォームに関しても、お客さまのご要望に合わせて最適なリフォームプランをご提案いたします。

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